約1億年前（98.89+/-0.62 Ma）に起源をもつ、恐竜時代のビルマ琥珀（バーマイト）の虫入りです。 一見、奇妙なアリヅカムシのように見えますが、ニセマキムシ亜科 Dasycerinae（ハネカクシ科、ヨツメハネカクシ亜科群）に属する、完全かつ美麗に保存された Cedasyrus dimorphus、♂個体の出品です。現在4属から構成されるニセマキムシ亜科の basal grade（残り3属の姉妹属）に位置付けられる系統学上重要な属です。 4年前に7頭に基づいて記載されましたが、5頭が上海師範大、それぞれ1頭づつがフィールド博物館（シカゴ）とオレゴン州立節足動物コレクションに収蔵されています。 【状態】黄色透明の琥珀に保存されており、背面、腹面、すべての付属肢ともクリアに観察できます（右触角は切れずに垂直方向に伸びています）。熱や圧力にによる形態の変形は認められません。虫体のごく近くにクラックが走っていますので琥珀の形状や縁の研磨による調整はしていません（この点で「やや傷や汚れあり」としています）。更なる研磨や扱いにはくれぐれもご注意ください（必要があれば合成樹脂に封入した上での再研磨をお勧めします）。 小群のためニセマキムシ類専科のコレクターはさすがにおられないと思いますが、それぞれ単一属で構成される Neophoninaeと Protopselaphinae（後者は別に出品しています）を除くとアリヅカムシ亜科と最近縁ですので、この類のコレクターには特にお勧めします。また、ヨツメハネカクシ群の系統やその仮説検証に興味を持たれている方にもお勧めします。2005年からビルマ琥珀の虫入りを集めていますが、マーケットからビルマ琥珀が姿を消した2007～2011年までの5年間を除いても過去14年で初めてみる甲虫です。2頭目がもし入手できれば価格は1/5程度に下げます。 甲虫の体長：1ｍｍ 琥珀の大きさ：20ｘ12ｘ1.8ｍｍ #7830 画像1：背面・腹面 画像2～4：背面 画像5～6：腹面 画像7：自然光・白背景 画像8：透過光 画像9：自然光 ・手のひら 画像10：自然光・黒背景での蛍光反応 画像11：UVライト（375nm）照射時の蛍光反応